当日の参加者。後段左より菰田正信、斉田幸雄、七尾克久、植田俊、中須賀真一、神武直彦、市川卓、高田修三、米津雅史、赤浦徹、前段左より渡部俊也、五嶋賢二、満岡次郎、恒藤晃、常田佐久、趙孟佑、清水基充、泉澤清次、石井康夫、石田真康(敬称略)

 2024 年 9 月 25 日、一般社団法人クロスユーは、運営諮問委員会を開催いたしました。本委員会は、宇宙産業に関わる様々な分野の専門家、企業代表、政府関係者など、多様なステークホルダーが集い、クロスユーの活動報告、宇宙産業の現状と課題、今後の展望について活発な議論を行いました。

 委員会ではまず、クロスユーより 2023 年 9 月から 1 年間の活動報告を行いました。その後、クロスユー理事長の中須賀真一(東京大学大学院・教授)から、宇宙産業における日本の国際的立ち位置に関して、また、外務省アフリカ部の斉田幸雄参事官より、アフリカ・TICAD閣僚会議を踏まえた新興国の動向についてお話しいただきました。

 その後、ディスカッションパートでは、「宇宙産業における政府予算拡大の流れがある中で、資金調達や人材確保などの課題に対して、クロスユーが担うべき役割は何か」、「宇宙の産業化を見据えたとき、具体的なミッションを持って、国際協調を進めていくべき中で、民間宇宙産業で重視していく事は何か」という二つのクエスチョンを掲げ、運営諮問委員の意見を賜りました。

ディスカッションでは、以下のような多岐にわたるトピックが指摘されました。

  • 継続性: 短期的な成果に囚われず、長期的な視点に立った活動を継続することが重要である。
  • 戦略性: 政府資金を効果的に活用し、戦略的な人材育成、宇宙産業の成長戦略を策定していく必要がある。
  • 安全保障: 宇宙アセットの安全保障利用を推進するために、政府との連携を強化していく必要がある。
  • 国際性: 地道な連携、信頼関係構築、国際協調の流儀を学ぶことで、国際的な宇宙産業において日本のプレゼンスを高めていくことが重要である。
  • 人材: 国内外の優秀な人材を引きつけ、育成し、多様な産業からの宇宙産業への人材流入を促進する。
  • 宇宙×○○: 他の産業との連携を強化することで、宇宙利活用の新たな可能性を模索し、国際的な競争力を高めていくことが重要である。
  • 失敗許容: 失敗から学び、挑戦を続ける文化を醸成することで、イノベーションを促進していく。

 委員のみなさまからは、クロスユーの担うべき役割として、リアルなイベント開催、オンラインコミュニティ運営、人材交流の場を提供することで、宇宙産業に関わる人々の繋がりを強化し、新たなビジネスチャンスを生み出すことが期待されていると確認できました。

 今後のクロスユーは、政府資金の有効活用、人材育成、国際協調、そして宇宙産業の長期的な発展に向けた戦略的思考をより促進していきます。また、民間企業との連携を強化し、宇宙利活用の新たな可能性を模索することで、日本の宇宙産業の更なる発展に貢献していきます。