私が宇宙の道を志したのは、今から約50年前にさかのぼります。1969年7月、アポロ11号が月面に着陸した半世紀前と現在では、宇宙開発を取り巻く環境が大きく変化し、民間企業が競う「競争」ではなく、国家を超えて協力しあい、共に創る「共創」の上で月を目指す時代となりました。
「共創」には、政府と民間、大学と民間等、様々な形がありますが、宇宙産業発展のためには、この「共創」の理念が非常に重要だと考えています。現在でも日本国内の宇宙ベンチャー同士や大学同士など、多少のネットワークはありますが、大企業とベンチャー間、産・官・学の間、そして、海外とのネットワークは欧米に比べるとまだまだ弱く、それは日本の宇宙産業の大きな課題だと思っています。
世界の宇宙産業の市場規模はこれから年率5%で成長し続け、2050年には200兆円の市場になると予測されていますが、その200兆の半分は、宇宙を「使う」ことで、周辺の産業が新たな付加価値を得ることによるものです。宇宙開発が本業ではない非宇宙企業が、今後さらに宇宙を「使う」ことにより、日本の宇宙産業を次のフェーズに進められると考えています。
また、特に日本では、様々な方と普段から同じ空間に居る「コロケーション」も非常に重要だと考えています。閉塞的な環境よりも、様々な業種の方と出会い、交わることのできるオープンな場に身を置いた方が、新しいアイデアが生まれ、自らのプロジェクトを飛躍させることに繋がると思います。宇宙は特にその色彩の強い世界です。非宇宙企業の宇宙産業参入が進んでいくに当たり、ますます多様な業種の方々とコロケーション出来る「場所」が必要だと考えています。
「非宇宙企業と宇宙産業を繋ぎ、新しい可能性にチャレンジする」
この動きを更に推し進めることが、クロスユーを設立した理由の一つです。クロスユーでは、分野を超えて繋がり、結びつき、発展出来る「場所」と「機会」を提供していきます。今後クロスユーに加入頂く皆様と力を合わせ、日本が一丸となって取り組めば、今後成長していく宇宙ビジネス市場において、日本が大きなプレゼンスを発揮できる未来が創れると思います。