【活動レポート】 クロスユー新興国ワーキンググループによるエチオピア視察・「NewSpace Africa Conference 2026」参画
一般社団法人クロスユーは、「クロスユー新興国ワーキンググループ」を通して新興国における宇宙ビジネス共創を推進しています。2026年4月、エチオピアへのデリゲーションツアーの実施およびガボンで開催されたアフリカ最大級の宇宙国際会議「NewSpace Africa Conference 2026」への参画を通じ、現地の政府機関や宇宙関係団体との連携を強化しました。その具体的な活動内容をご報告します。
1. <エチオピア>合同ワークショップ開催、現地宇宙機関とMOU締結
4 月14日~18 日の5日間、クロスユーは日本宇宙企業 3 社(アクセルスペース、アークエッジスペース、ソラテクノロジーズ)、Double Feather Partners、ENKOPA Lab とともに、エチオピアへのデリゲーションツアーを実施しました。現地宇宙機関との合同ワークショップの他、グループミーティングを行いました。
■現地宇宙機関と第2回「宇宙データ利活用ワークショップ」を開催
首都アディスアベバにて、今年1月に続き、2回目となる「宇宙データ利活用ワークショップ」を現地の宇宙機関 Space Science and Geospatial Institute(SSGI)およびEthiopian Space Science Society(ESSS)と共に開催しました。ワークショップでは、日本企業3社の衛星データやソリューションを実際に体験するセッションを交えながら、エチオピアの社会課題に即した様々なユースケースの可能性について、グループディスカッションを行いました。
また、本ワークショップの成果として、クロスユーはアクセルスペース、およびエチオピアのテクノロジー企業 Jethi Software Development PLC とともに、アフリカ諸国の持続可能な社会経済発展に向けた宇宙ビジネスの共創と衛星データ活用の推進に関する「アディスアベバ宣言」を発表しました。


■エチオピアの宇宙科学協会(ESSS)と国際協力促進に関する覚書を締結
4月17日、クロスユーはESSSと宇宙分野における国際協力促進に関する覚書(MOU)を締結しました。クロスユーは、2025年8月に駐日エチオピア連邦民主共和国大使館とも同様のMOUを締結しており、今回のESSSとの締結により、エチオピア現地での民間主導の宇宙ビジネス共創に向けた動きをさらに深める基盤を構築しました。

2. <ガボン>NewSpace Africa Conferenceへの参画:ジャパンブース出展、日本関連セッションを実施
2026 年 4 月 20 日~23 日、ガボン・リーブルヴィルでSpace in AfricaおよびAfrican Space Agencyが主催する「NewSpace Africa Conference 2026(NSAC)」 が開催されました。今年のテーマは “Inclusive Growth: Expanding Space Benefits to all Africans”。公式サイトによると、65 か国以上から、200 以上の組織、25 以上のアフリカ政府関係者をはじめ、600名が集結しました。
日本からはJICA、JETRO、クロスユー、アクセルスペース、アークエッジスペース、デロイト、Solafune、Sora Technology等、多数のメンバーが参加。JICA、アクセルスペース、アークエッジスペース、デロイト、クロスユーの5団体は「ジャパンブース」を共同出展し、日本の最先端技術とソリューションをアピールしました。


■アフリカ宇宙エコシステムの主要会議における議論の動向
宇宙技術を社会課題解決や産業育成にどのように活用していくかについて議論が交わされていました。
NSACは、アフリカの宇宙・衛星分野における政策、ビジネス、国際連携が交錯する重要なプラットフォームです。アフリカ域内だけでなく、欧米やアジアからの参加も多く、各国の政府、宇宙機関、企業、投資家、大学・研究機関などが集まっていました。
カンファレンスでは、宇宙技術そのものだけでなく、宇宙技術を社会課題解決・産業育成にどう使うかを議論され、アフリカ市場においては、衛星やデータ単体の提供にとどまらず「データ解析・運用・現地での人材育成」までをパッケージ化した包括的な提案が極めて重要視されていることが浮き彫りとなりました。
<NSACでの主な議論テーマ>
・地球観測
・農業
・森林・資源管理
・防災・気候変動対応
・通信・デジタルインフラ
・人材育成
■日本関連セッション「Accelerating African Space Ecosystem with Japan」を実施
NSACの会期中、特設ステージにて、日本関連セッションを開催しました。会場には多くの聴講者が集まり、日本との連携に対する関心の高さを体感するセッションとなりました。
・開催日時:2026 年 4 月 22 日 10:10~10:30
・セッション名:Accelerating the African Space Ecosystem with Japan
・主な論点:小型衛星技術の展開、地球観測データの社会活用、開発協力、宇宙人材の育成、そして「アフリカ側の現場の課題」を起点としたソリューションの共同設計について
・登壇団体/参加者
在ガボン日本国大使館 安東大使
一般社団法人クロスユー 中須賀理事長
独立行政法人国際協力機構(JICA)
株式会社アークエッジスペース
株式会社アクセルスペース
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
モデレーター:一般社団法人クロスユー

3. 今後に向けて
今回のエチオピア視察およびNSAC参画を通じ、宇宙技術そのものの優位性よりも、「アフリカ各国の現実の社会課題に対して、宇宙技術をいかに適応させるか」という視点の重要性を感じました。地球観測データ、衛星通信、小型衛星、人材育成を、農業や防災、気候変動対応、デジタルインフラ等へどのように繋ぎ実装するか、日本企業には技術単体の提案ではなく、「課題設定・データ活用・現地連携・人材育成・実証から事業化まで」を一気通貫で伴走するアプローチが求められています。
クロスユーでは、今回の活動で得られたネットワークや知見を「クロスユー新興国ワーキンググループ」の活動に繋げ、アフリカ諸国と日本企業との宇宙ビジネス共創を推進してまいります。
クロスユー新興国ワーキンググループでは、参画メンバーを募集しております。ご興味のある方は、info@crossu.orgまでお気軽にお問い合わせください。
