主催:一般財団法人花山宇宙文化財団

2025年11月21日、「宇宙天気予報の基礎と応用」と題した花山宇宙文化財団主催講演会が開催された。本講演会は、柴田一成氏(太陽)と小原隆博氏(地球)による二部構成で行われ、宇宙天気の科学的知識と社会的リスクを主要テーマとした。

第一部では柴田氏より、太陽活動の仕組みと地球への潜在的脅威が解説された。具体的には、リスク事例として、2025年11月9日以降に発生したXクラスの大規模フレアが取り上げられ、太陽観測データから、地球への影響をいかに予測するかという観点から、フレアに伴うコロナガスが地球に到達した際の磁気嵐やプロトンフラックスの実際の観測値が解説された。さらに、今後数年間で予想される巨大フレアや、100~1000年に一度のスーパーフレアのリスクへの懸念が提示された。

第二部では小原氏より、太陽嵐によって引き起こされる電離圏・磁気圏の変動や、それに伴う通信障害や衛星機器への影響が紹介された。特に、宇宙飛行士が受ける被ばく量についての詳細な紹介もあり、宇宙空間におけるリスクが具体的に示された。

第二部講演終了後には、八橋大輔氏と高崎宏之氏より、宇宙ビジネスの可能性に焦点を当てた示唆に富むショートコメントが提供された。

講演の締めくくりとして、これらの甚大な影響に備えるため、地震対策と同様の視点での準備が強く強調された。京大花山天文台の紹介を通じ、宇宙天気の重要性を再認識させる、非常に示唆に富んだ有意義な講演となった。

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